映画「百瀬、こっちを向いて」のあらすじと感想!個人的な評価も!
映画「百瀬、こっちを向いて」のあらすじと感想!
映画「百瀬、こっちを向いて」は、ミステリー作家として数々のベストセラーを持つ乙一が別名義である「中田永一」として書いた恋愛小説集の映画化である。
あらすじ①相原ノボルが巻き込まれる奇妙な三角関係
主人公の相原ノボルは、自分自身でも「レベル2」と自嘲するほど冴えない、ごく平凡な高校生。学生生活でもとりたてて事件は起きないが、このまま平穏無事な人生を過ごせればいいと漠然と考えていた。
そんなある日、ノボルは高校の先輩から百瀬陽を紹介され、ある「密約」をもちかけられる。
ある朝、自分と百瀬が並んで駅のホームに立っているところがクラスメイトに目撃された。しかし、自分には神林という恋人がいるから、百瀬との仲を勘繰られるわけにはいかない。妙な噂が広まる前に、ノボルが百瀬と付き合っているフリをして、自分と百瀬が何でもないことを証明してほしい。
荒唐無稽な宮崎の提案に戸惑うノボルだったが、百瀬から強引に押し切られるかたちで渋々「密約」に加担することになる。
あらすじ②偽りであったはずの関係が変化していく
実は、百瀬は宮崎に恋をしていた。宮崎に本心を隠し、「密約」を守ろうとする百瀬の純粋さとほのかな性の香りに、ノボルの心は少しずつ揺れ動いていく。
そんなノボルの内心を知ってか知らずか、学校の外ではドSキャラとして接する百瀬。
恋人になれるのは高校の中だけ、一歩外に出れば「底辺君とお姫様」だったはずのふたりの関係が、宮崎という人間を軸に少しずつ、しかし確実に変化していく。
果たしてノボルは、「百瀬、こっちを向いて」と言えるのだろうか。
あらすじ③次第に明かされる百瀬の内面
学校ではドSキャラとして振る舞う百瀬にも、複雑な事情があった。父親はすでにおらず、昼も夜も休みなく働く母親の代わりとして放課後は弟たちの世話をし、夜遅くまで家事をこなす、という毎日を送っていた。
片想いの宮崎に少しでも近づきたい一心で「密約」を守ってきた百瀬だったが、ノボルとの関係の中で次第に宮崎の身勝手さに気づき、繊細な内面をノボルにぶつけるようになる。
結局悪いのは誰?
映画「百瀬、こっちを向いて」は、大人になったノボルが喫茶店で神林と語り合うところからはじまる。ノボルは高校を卒業後、夢だった小説家になり、自身の小説の出版記念として母校に帰ってきたのだった。一方の神林はその後、宮崎と結婚し、ふたりの子供を授かっていた。
喫茶店でひとしきり当時の想い出について語り合った後、ノボルは神林にたずねる。
「全部、知っていたんですか?」
ノボルの問いかけに、ふっと微笑む神林。そして、彼女が静かに口にしたこたえは、ノボルにとって残酷なものだった……。
映画「百瀬、こっちを向いて」では、大人になったノボルを向井理が演じ、どこか陰のあるキャラクターを好演している。
映画「百瀬、こっちを向いて」の個人的な評価!
淡い青春の日々を切り取った映画「百瀬、こっちを向いて」。あらすじはシンプルだが、高校生特有の残酷さとリリカルな心の動きが繊細に描かれている。
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