どれも名作!『古畑任三郎』の神回を一挙紹介!名言や名シーンも!
これぞ名作!『古畑任三郎』の神回を紹介!
1994年の放送開始以来、スペシャル版を含めると20年以上にわたり新作が生み出されてきた『古畑任三郎』。全40話を超えるエピソードのなかから特に印象に残っている神回についてまとめてみた。
古畑、キレる
元SMAPの木村拓哉が爆弾魔と、警備員殺しの犯人を演じる。若き天才科学者として現場に召集された木村。犯人でありながら警察から捜査のコンサルタントを依頼され、終始挑発的な態度で接する木村に古畑も苛立ちを隠しきれない。
終盤、古畑の追及により自白する木村。「なぜ遊園地の観覧車に爆弾を仕掛けた?」と犯行動機についてたずねる古田に、「観覧車が時計台を見るのに邪魔だったから」と悪びれる様子もなくこたえる木村。これは一本取られたというように含み笑いを浮かべる古畑……と、突然、木村の頬に古畑のビンタが炸裂。古畑が犯人に対し手をあげるシーンは、後にも先にもこの1回しかない。
犯人に対しても終始紳士的で飄々とした態度を貫く古畑の「鉄拳制裁」が決まったという意味で、紛れもない神回である。
ちなみに、爆弾解除の正解は赤のコードであり、赤を選んだ理由についてラストシーンで「おみくじの占いだよ」とこたえているが、もちろん古畑一流のジョークである。
木村との最後の一騎打ちの場面で古畑は巧みに木村にカマをかけ、木村のわずかな目の動揺から「爆発につながるのが青のコードであること」を瞬時に見抜いていた。犯人と刑事との息詰まる心理戦がたっぷり味わえる神回とも言えるだろう。
息詰まる法廷劇!
セカンドシーズンの初回拡大スペシャル。明石家さんま(小清水)が利己的な弁護士を演じ、恋人を殺した罪を古畑の部下、今泉になすりつけようとする。小清水は今泉の大学の同級生であり、そのよしみで弁護していると見せかけて巧みな誘導戦術によって今泉がやってもいない殺人の罪を法廷の場で自白するように仕向けていく。
古畑は小清水の魂胆を最初から見抜いており、いつも以上に執拗に小清水につきまとい、今泉の冤罪を晴らすべく全力を尽くす。そして、小清水を自白にまで追い込んだのは、小清水自身が事件調書に書き込んだあるひとつの錯覚だった……。
古畑と今泉の隠れた友情と絆がうかがえる神回である。
古畑はクールな刑事だった?
『古畑任三郎』の記念すべき第1作。人気アイドル歌手だった中森明菜が刑事ドラマの犯人役を演じる、ということでも当時は話題となった。
今ではすっかりコミカルに描写される古畑だが、ファーストシーズンではクールさのほうが際立っており、特にこの回では古畑はスマートなキャラクターであり、独特の含み笑いも抑えめである。
ドラマでは中森明菜が漫画家の小石川ちなみを演じているが、小石川の弁護をのちに小清水が担当したり(判決は無罪)、結婚式に古畑が今泉ともども出席したりと、シーズンを超えて名前が登場するキャストのひとりである。
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どれも神回!『古畑任三郎』名作の名台詞!
もはや神回しかないレベル、とまで言える『古畑任三郎』。名作とともに古畑の名台詞を振り返っていこう。
「だから聞いてるんです」
こちらも『赤か、青か』から。観覧車に仕掛けた時限爆弾のタイムリミットが刻一刻と迫っているなか、執拗でまわりくどい追及を繰り返す古畑に対し、「そんなことは犯人でなきゃわからないでしょう」と苛立たしげにこたえる木村。すかさず古畑が切り返したのがこの台詞である。
つまりは古畑の宣戦布告であり、「なめるのもいい加減にしろよ」と牽制したのである。古畑がここまで犯人に対し感情を露わにしたのは全シリーズでもめずらしく、その意味でも永久保存版の神回である。
「そんなものです」
石黒賢がインチキ超能力者を演じ、インチキを見てしまった通行人を殺してしまう。
古畑がいつものように罪を暴き、自白させた後、石黒は「これだけは信じてください」と古畑に懇願する。
「確かに今の僕はインチキ超能力者だが、子どもの頃は本当に特別な能力があったんだ。今だって本気になれば……」
にわかに力を込め、天を仰ぎ祈りはじめる彼。すると突然、天井から公開生放送に使われていた看板が落ちてくる。
驚く古畑、ほくそ笑む犯人。
しかしそれは、単に上の大道具係が手違いにより落下させたものだった。がっくりと肩を落とす彼に、古畑がそっと一言。
「そんなものです」
特別でなくてもいいのだ、これからは普通でいいのだ……肩の荷をすっと下ろしたような石黒の笑みが印象的な神回である。
「友人の人生がかかっているんです」
小清水に陥れられようとしている今泉に代わって冤罪を晴らす古畑。どうせ証拠は見つからないだろうと余裕綽々の小清水に、古畑が語気を強めて言い切ってみせる。
普段はポンコツ扱いしていても、根っこのところでは友人に近い存在として信頼を置いている。複雑な人間ドラマもまた、『古畑任三郎』の見どころのひとつである。
「嘘の下手な人間は……」
正式には、「嘘の下手な人間はすべてについて嘘で塗り固めようとするが、嘘のうまい人間は肝心なところだけ嘘をついてあとの部分はできるかぎり真実を守ろうとする」である。
ラジオDJ役の桃井かおりに本番中、何か話せと無茶ぶりされて古畑が苦しまぎれにひねり出した名言である。推理の本質を突いた名言であり、殺人のアリバイという嘘をラジオの本番という真実のなかに覆い隠そうとした桃井かおりへの痛烈なメッセージともなっている。
ちなみに、桃井かおりが演じたラジオDJは中島みゆきがモデルとなっているらしい。
『古畑任三郎』の神回と名言をDVDや動画配信で楽しもう!
明石家さんま、中森明菜、桃井かおり、木村拓哉、藤原竜也、松本幸四郎……錚々たるキャストが犯人を演じ、天才刑事との息詰まる心理戦を繰り広げた名作『古畑任三郎』。ここで紹介した神回はほんの一部であり、古畑の魅力はまだまだ語りつくすことができない。皆さんもぜひ、皆さんにとっての神回と名言を探してほしい。
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