北川景子が妊活？ヒキタクニオ原作『ヒキタさん！ご懐妊ですよ』の内容と不妊治療の現状！映画の撮影秘話も！

ヒキタクニオ原作！『ヒキタさん！ご懐妊ですよ』の内容と映画のあらすじ！

小説家でエッセイストでもあるヒキタクニオ氏は、30代を過ぎてから年下の妻と結婚し、平穏無事な生活を送っていた。

夫婦ともに「子どもはつくらない」と約束し、ヒキタ氏自身も特に不満はなかったのだが、ある日、妻がふっと漏らした一言によって運命が大きく変わる。

「ヒキタさんの子どもが見てみたい」

それは、40代を目前にした妻の、妻なりのラブコールであった。

愛する妻の願いをかなえるため、ヒキタ氏は妊活専門のクリニックに通い、あらゆる方法によって子作りに励むのだが……。

ヒキタクニオ氏のエッセイ『ヒキタさん！ご懐妊ですよ』では、数年にも及ぶ妊活および不妊治療の過程が克明に綴られている。日本国内で一般的に取られている妊活のオーソドックスな方法について見ていきたい。

妊活の基本はまず、「妊娠しやすいタイミングで性交を行うこと」である。タイミング法では女性の基礎体温表から排卵日を割り出し、その前後に合わせて性交を行うことで妊娠の確率を高める。

もちろん、タイミング法においては健康な精子をキープしていることが前提であり、治療にあたってはまず夫側の精子検査が行われる。

精子検査では精子の濃度と運動率が調べられ、いずれか片方でも基準に満たなければタイミング法および人工授精は難しくなる。

タイミング法を一定期間試しても妊娠しなかった場合、人工授精の検討が勧められる。

一般的な人工授精の場合、精子と卵子をいったん体外で受精させ、受精卵になった段階で再度子宮内に戻し、着床させる。

自然妊娠を目指すタイミング法とは異なり、人工授精は女性の体にメスを入れるため負担が大きく、回数も限定されているという特徴がある。

ヒキタ夫妻は数回の人工授精により子供を授かっているが、先進国では代理母による出産が増えつつある。

女性側の妊娠能力に問題があった場合、ドナーとして登録している代理母に夫の精子を提供し、卵子と授精させることで妊娠を成立させる。

人工授精よりも成功率は高いものの、費用が高いことや倫理的な批判もあることから日本ではまだまだ認知されていない。

妊活と不妊治療はしばしば混同して使われがちだが、厳密な定義は異なっている。

まず、妊活は正式な医学用語ではなく、「子どもを望む夫婦が妊娠をしやすい環境をととのえるためのプロセス」という風にとらえられている。言い換えれば、新婚夫婦でもお互いに子供を望めばそれが妊活であり、特別なことではないのだ。

一方、不妊治療ではすでに自然な妊娠が難しいと判断される夫婦が対象である。大雑把に言えば、妊活をある程度つづけてもなお妊娠しなかった場合に、次の選択肢として提示されるのが不妊治療なのである。

ちなみに、不妊治療は治療ではあるが、公的な医療費補助には限界がある。このことも日本で不妊治療が根づかないひとつの要因になっているのではないだろうか。

映画版の『ヒキタさん！ご懐妊ですよ』では、松重豊・北川景子がヒキタ夫妻を演じている。松重豊は本作のオファーを受けた際、ヒキタクニオ氏の原作エッセイを何度も読み込み、妊活や不妊治療に関する書籍を何冊も読むことで知識と理解を深めたのだとか。

一方、北川景子のほうも、自分自身がアーティストのDAIGOと結婚し、年齢的にも妊活を考えるタイミングだったということもあり、今回の役づくりにはよりいっそう思い入れがあったようだ。

個人的には、映画『ハンサムスーツ』で可憐な女子高生を演じた北川景子が劇中でとは言え妊活をする年齢になったことに時の流れを感じずにはいられない。

ヒキタクニオ氏の妊活エッセイを松重豊・北川景子ダブル主演で映画化した『ヒキタさん！ご懐妊ですよ』。妊活の喜びと不妊治療の現状をリアルに知ることができる映画なので、是非とも映画館で御覧いただきたい

まだ、コメントがありません