映画『ビブリア古書堂の事件手帖』で野村周平が演じた五浦大輔はディスレクシア?学習障害について解説!

2019年8月18日ディスレクシア, ビブリア古書堂の事件手帖, 野村周平, 黒木華

映画ビブリア古書堂の事件手帖野村周平が好演!ディスレクシア識字障害)とは?

映画『ビブリア古書堂の事件手帖』に登場する五浦大輔(野村周平)は、幼い頃のとあるトラウマによって一種の「活字恐怖症」に陥った青年である。日常生活については何の不自由もなくこなせるが、活字を読むことだけは致命的に苦手で、どんな本でも数行読んだだけでめまいや吐き気に襲われる、という特性をもっている。

五浦大輔の「活字恐怖症」は一般的にはディスレクシア識字障害)とよばれ、学習障害(LD)の一種としてとらえられている。

ディスレクシアの特徴として、「文字を意味のあるつながりとして認識することができない」という点が挙げられる。ディスレクシアの人たちにとって文字は意味を持たないたんなる記号であり、文章として提示されてもその意味を汲み取ることはできない。

ただ、だからといってディスレクシアの人たちが言語的コミュニケーションをまったく行えない、というわけではない。ディスレクシアは日本語で識字障害とも訳されるように、あくまでも「文字情報の処理能力」に限定される話であり、音声によるコミュニケーションにはまったく影響がない。

たとえば、音声では「いぬ」という言葉を問題なく理解できても、文字として「いぬ」を見た場合、それが動物の「いぬ」を表していると脳内でうまく結びつけることができない。

ディスレクシアの特性は幼少期に強く表れやすく、小学校の授業で簡単な文章の音読ができない、教科書の意味を理解することが難しい、などのハンディキャップを背負うことが多い。

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ディスレクシアだけじゃない!学習障害の種類

学習障害として定義されるのはディスレクシアだけではない。映画『ビブリア古書堂の事件手帖』では描かれなかった、ディスレクシア以外の学習障害の種類とそれぞれの特徴についてまとめていく。

書字表出障害

英語ではディスグラフィアとよばれる。ディスレクシアとは異なり、言葉を文字情報として理解することはできるが、言葉を文字として書き記す段階で困難をともなう。

ディスグラフィアの子どもに見られる特徴として「鏡文字」があり、正しい文字のかたちを知っているにもかかわらず自分で書こうとするとどうしても左右が反転したり、上下が逆さまになったりしてしまう。

文字を書くことそのものが苦痛なため、ディスグラフィアの子どもは幼少期から文字に関心を示さないことが多く、大人がきつく叱るほど症状が悪化してしまうことも多い。

「万物の天才」といわれるレオナルド・ダ・ヴィンチディスグラフィアの傾向をもっていたと言われており、晩年まで鏡文字が治らなかったというエピソードも遺っている。

計算障害

英語ではディスカリキュアとよばれる。ただ単に複雑な暗算ができない、ということではなく、大人になってもひとケタの足し算、引き算ができないなど、計算能力に著しい問題が見られる状態を指す。

爆笑問題の太田光は幼い頃から計算障害をもっていたと言われており、本人自身も自伝の中で「繰り上がりの足し算は今でも人にまかせてしまう」と語っている。

空間認識障害

一般的にいう方向音痴とはまったく違うメカニズムにより、脳内の空間認識領域が未発達の状態を表す。初めて行く場所はもちろん、毎日のように通っているはずの道でもほんの少し角度が違っただけで方角がわからなくなり、迷子になってしまう、などが空間認識障害の大きな特徴である。

学習障害全般に共通していること

学習障害について深く理解するうえでまずおさえておくべきなのは、「本人の努力や資質の問題ではない」ということである。

たとえば、鏡文字がいつまでも治らない子どもに対し、教師や親は努力によって克服できるはずだと本人を叱咤激励しがちだが、学習障害への対応としては逆効果である。

学習障害は脳の構造上の問題であり、本人の怠慢によって引き起こされるものではない。識字障害であれ計算障害であれ書字表出障害であれ、学習障害の子どもに対して必要以上の努力を求めることはストレス以外の何物でもなく、本人を追い詰めるだけである。

学習障害の子どもに対してはいたずらに努力を求めるのではなく、ハンディキャップをフォローするためのサポートアイテムを提供し、学校などで劣等感を抱かないようにして挙げることが大切だ。

たとえば、識字障害の子どもに対しては入力された文字を音声で読み上げてくれるソフトによる学習が有効だし、書字表出障害の子どもにはキータイプによって文字を入力できるタッチパッドなどが助けになるだろう。

映画『ビブリア古書堂の事件手帖』野村周平ディスレクシアと言えるのか?

五浦大輔の「活字が読めない」という特性がストーリーのキーポイントにもなっている映画『ビブリア古書堂の事件手帖』だが、果たして、五浦大輔はディスレクシアと言えるのだろうか。

結論から言うと、少なくとも狭義の意味では、野村周平演じる五浦大輔はディスレクシアとは言えない。その大きな理由が「トラウマ」である。

映画『ビブリア古書堂の事件手帖』に登場する五浦大輔は、「祖母に叱られたトラウマによって本が読めなくなった」という設定になっている。

しかしながら、ディスレクシアは本来心因的なものではなく、あくまでも脳内の神経回路の変化によって引き起こされる疾患である。

したがって、もしも五浦大輔が純粋なトラウマによって本が読めなくなったのだとしたら、それは一種の「活字恐怖症」であり、ディスレクシアとは異質なものであると考えざるを得ない。

五浦大輔はディスレクシアではない!映画ビブリア古書堂の事件手帖野村周平に注目!

「活字恐怖症」の五浦大輔が篠川栞子とともに本にまつわる謎を解いていく映画『ビブリア古書堂の事件手帖』。この機会にディスレクシアや学習障害について調べてみるのも面白いかもしれない。

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