【ぼく明日】映画『ぼくは明日、昨日の君とデートする』は難しい?ネタバレつき解説!

2019年8月18日ぼく明日, 小松菜奈, 福士蒼汰

ホントに難しい?映画『ぼくは明日、昨日の君とデートする』のあらすじ解説!

プロのイラストレーターを目指し、京都の美大に通う南山高寿。絵の才能がなかなか評価されず、先の見えない単調な日々に苛立ちを感じていた高寿だったが、彼にはひとつ、毎日の癒しとなる楽しみがあった。

それは、通学途中の電車で「彼女」の姿を見つけること。「彼女」は毎朝決まって高寿と同じ時間の電車に乗り、そして、毎朝必ず窓際で文庫本を読んでいるのだった。

「この出逢いを無駄にしたくない」

恋愛には奥手な高寿だったが、このチャンスを逃せばもう二度と「彼女」に会えなくなるような気がした彼は電車を降りる「彼女」に思いきって声をかけ、デートの約束を取りつける。

「うれしい……」

「彼女」の名前は、福寿愛美。高寿の告白に涙する「彼女」。初対面にもかかわらずストレートに感情を表現する「彼女」に戸惑いながらも、よりいっそう愛おしさを感じる高寿だった。

こうして、恋人同士になったふたりだったが、関係を深めていくうちに、高寿は愛美との関係にある違和感を抱きはじめる。

愛美の気持ちが徐々に離れていくように感じた高寿。そして、ふたりの距離感は音もなくすれ違っていくのだった……。

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だから難しい?【ぼく明日】のポイントをネタバレ解説!

【ぼく明日】は構成としてはシンプルなラブストーリーなのだが、物語の主軸となるギミックがやや複雑なため、初心者にとっては難しい、という印象になってしまうようだ。

結論から言うと、【ぼく明日】は一種のパラレルワールドストーリーである。パラレルワールドとは直訳で「並行する世界」と言われるように、現実世界とは別の時空間で存在する「似て非なる世界」という風に説明されている。パラレルワールドは無数に存在しており、通常の状態では決して交わることはないが、何らかの要因によって空間にねじれが生じた場合、それぞれの世界が交錯することがある。これはSF小説でもおなじみだろう。

【ぼく明日】のヒロインである福寿愛美もまたパラレルワールドの住人であり、本来であれば高寿と会うはずのない人間だった。

そのうえ、【ぼく明日】において描かれるパラレルワールドは、たんなるパラレルワールドではない。

何と、時間が逆行しているのである。

これ以上の説明にはSF的な専門知識が必要になるためほどほどにしておくが、要するに、現実世界に生きる愛美は、高寿から見ると過去の方向へと進んでいるのである。

もっとシンプルに言うと、愛美がむかえる「明日」は高寿にとっての「昨日」であり、このあたりが『ぼくは明日、昨日の君とデートする』という作品のタイトルとも深くリンクしてくるのだ。

高寿がまだ知らない「明日」を、愛美はすでに知っている。だが、愛美がまだ知らない「明日」を、高寿は過去として知っている。

このすれ違いこそが【ぼく明日】最大のポイントであり、高寿と愛美の恋を切なくしている胸キュンポイントなのだ。

また、高寿と愛美にはよりスケールの大きい、時空を超えたつながりがあるのだが、それは実際に映画を御覧になったうえで確かめていただきたい。

【ぼく明日】だけじゃない!奇妙な恋愛を描いた映画を解説

パラレルワールドというオーソドックスなモチーフを通して男女の切ない恋愛を描いた映画『ぼくは明日、昨日の君とデートする』【ぼく明日】以上に奇妙で複雑な恋愛を描いた映画作品を解説していく。

『パラレルワールド・ラブストーリー』

東野圭吾の原作小説を玉森裕太(キスマイ)・吉岡里帆・染谷将太という豪華キャストで映画化。「恋人を親友に奪われた」奇妙なパラレルワールドに迷い込んだ主人公の葛藤をサスペンスタッチで描く。

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『九月の恋と出会うまで』

松尾由美の恋愛小説を川口春奈・高橋一生のダブル主演で映画化。パラレルワールドからやってきたという謎の男・ヒラノに翻弄されるヒロインの切ない恋愛を描く。

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『フォルトゥナの瞳』

百田尚樹の原作小説を神木隆之介・有村架純のダブル主演で映画化。死期が迫った人間が半透明に見えてしまうという「フォルトゥナの瞳」を生まれつきもつ青年の淡く切ない純愛模様を描く。

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『ベンジャミン・バトン~数奇な人生~』

短編の名手と言われるフィッツジェラルドの原作小説をブラッド・ピット、ケイト・ブランシェットという豪華キャストで映画化。老人の姿で生まれ、年を取っていくごとに肉体的に若返っていく数奇な病に侵された男性の半生をラブストーリー調で描く。

実はシンプル!映画版【ぼく明日】で切ない恋に胸キュン!

パラレルワールド、タイムリープというSFの王道的モチーフを盛り込んだ映画『ぼくは明日、昨日の君とデートする』。SFに慣れていない方にとってはやや難しいと思われるかもしれないが、作中でもギミックについて丁寧に説明がなされているので、ぜひご覧になって高寿と愛美の純愛に胸キュンしてほしい。

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