アベンジャーズ?ただの寄せ集めじゃないか

2019年7月11日アベンジャーズ, エッセイ, スパイダーマン, 映画

「スパイダーマンシリーズ」の最新作が日本でも公開され、興行収入も好調である。ヒット作が1作でも多く生み出されるのは映画好きとしてももちろん喜ばしいことなのだが、ここ数年の「アベンジャーズ」ブームにはついていけない部分があるのである。

ここ数年のアメコミ業界の動向を大ざっぱに整理すると、「単体シリーズ→アベンジャーズ→単体シリーズ→アベンジャーズ」という繰り返しになっているようだ。単体シリーズで張り巡らされた伏線をアベンジャーズの最新作で回収してさらに次につなげる、という手法がウケているようだが、私はあえて言いたい。

アベンジャーズなど、ただの寄せ集めであると。

私とて、アメコミそのものは決して嫌いではない。スパイダーマンの初期シリーズは映画館での公開を今か今かと心待ちにしたほどだったし、ハルクやアイアンマンもそれなりにフォローしてきたつもりである。

しかし、である。どうして集まる必要があるのだ。それぞれに違う背景とストーリーから生み出されたというのに、何でよりによって寄り集まって悪と戦う必要があるのだ。

「アベンジャーズ」シリーズに違和感を禁じ得ないのは、その裏側にアメリカらしい商業主義が透けて見えるからである。確かに、人気コンテンツを寄せ集めればそれぞれのファンが注目するわけだから、それだけ大きなヒットが見込めることになる。

だが、果たしてそれで良いのだろうか。「人気者を集めればヒット間違いなし!」という安直な発想で作られた映画がまんまと大ヒットを記録しているというこの現実に、私はひそかに空恐ろしいものを感じているのだが……。