【公開直前!】小説『まく子』のあらすじと見どころ!感想も!

小説, 山崎光, 新音, 西加奈子

直木賞作家・西加奈子の長編小説。とある田舎町を舞台に、ごく普通の少年・慧と突如として町に引っ越してきた奇妙な少女・コズエとの交流を描きつつ、慧を取り巻く環境が少しずつ変化していく様子を繊細なタッチで描いています。

映画版『まく子』を家でじっくり楽しむならコチラ!



小説『まく子』のあらすじまとめ!

とあるちいさな温泉街で暮らしている南雲慧は小学校高学年にさしかかり、「少年」と「青年」のはざまで揺れ動いている。

このまま大人になってしまうことに漠然とした違和感を覚えていた慧だったが、「コズエ」という少女が小学校のクラスに転入してきたことから、慧を取り巻く環境が少しずつ変化していく。

色白で長身。周囲とは違う雰囲気を放つコズエには、ある奇妙な癖があった。コズエの奇妙な癖……それは、身のまわりにあるものを何でも遠くにまき散らすこと。砂利、小石、ホースの水。コズエはとにかく、まき散らせるものは何でもかんでもまき散らし、そして、満足そうに微笑むのだった。

コズエがその奇妙な癖を披露した日から、彼女は「まく子」となった。まく子によって少しずつ、本当に少しずつ世界を変えられていく慧。変えられたのは慧だけではなかった。クラスメイトや「あかつき館」に住む人に影響を与え、温泉街そのものをゆっくりと変化させていくまく子。まく子は街になじんでいくが、やがて、慧の父・光一の浮気相手と名乗る謎の女が現れて……。

小説『まく子』の主要人物!

小説『まく子』の世界を十二分に楽しむためにも、そして、間もなく公開される映画版『まく子』の世界観を120%理解するためにも、まずは主要人物を整理しておきましょう!

南雲慧

主人公。思春期の入り口にさしかかり、大人になっていく自分の変化を受け入れられず、ひそかに悩んでいます。「できることならずっと子どものままでいたい」と願う慧でしたが、不思議な魅力をもつコズエと深く関わり合うなかで、少しずつ、「大人になるとはどういうことか」について理解しはじめます。

映画版では、主人公の慧を『真夏の方程式』で注目された山崎光が演じます。瑞々しいその演技に注目です!

コズエ

慧の住む温泉街にある日突然引っ越してきた転校生。慧のクラスメイトとなり、小石や砂利など、あらゆるものをまき散らしてしまう奇妙な癖から「まく子」とよばれるようになります。

宇宙からきた、と慧たちに語り、どこか浮世離れしたクールな言動でクラスメイトたちを振りまわしていくコズエ。コズエの奇妙な癖はやがて温泉街に大きな影響を与え、町全体を巻き込む大事件へとつながっていきます。

映画版ではコズエを若手女優の新音が演じます。コズエの不思議な透明感をどこまでリアルに表現しているか、皆さんもぜひ注目してください!

南雲光一

慧の父親。飄々とした人柄で、過去には温泉街の女性たちと浮気を繰り返していたという「前科」があります。実は、光一のせいでとんでもない大事件に発展するのですが、それは原作や映画版でチェック!映画版では光一を草彅剛が演じます。つかみどころのないキャラクターがハマり役の予感ですね!

ドノ

温泉街に住む大人。慧の小学校付近をうろつき、大人なのにいつもマンガ本に熱中していることから、街の人たちからはどこか遠巻きに見られています。個性的すぎるこのキャラクターを、映画版では村上純が演じます。

小説『まく子』の見どころは?

直木賞作家・西加奈子らしい繊細にしてユーモラスな筆致が冴えわたる小説「まく子」には、皆さんにぜひともお伝えしたい見どころがたくさんあります!

慧の成長物語!

小説版の『まく子』は、慧の視点から描かれていきます。思春期の入り口に立った体の変化に戸惑いつつ、「大人になんかなりたくない!」とつねづね思っています。

そんな慧ですが、コズエと関わり合うことによって否応なしに数々の事件に巻き込まれていき、大人になることの本当の意味について考えるようになります。

慧とコズエの関係は、恋愛というにはまだあまりにも淡く、幼すぎますが、それでも、コズエにきちんと「好きだ」と伝える慧は男らしく、成長を感じさせます。

ハートフルで個性的な面々!

西加奈子作品の特徴は何といっても、登場人物の人物造形にあります。本作、「まく子」でもその才能が遺憾なく発揮されており、メインの慧やコズエはもちろん、光一やドノといったキャラクターも非常に魅力的に描かれており、ストーリー全体を支えています。

小説『まく子』の全体の感想

直木賞作家・西加奈子によるハートフル・ヒューマンドラマ「まく子」。映画版の公開も3月15日と目前に迫っていますので、皆さんも今からチェックなさってください!

映画版『まく子』を家でじっくり楽しむならコチラ!