ネタバレあり!映画『箱入り息子の恋』のあらすじと見どころ!感想も!

2019年9月7日ラブストーリー, 夏帆, 大杉連, 平泉成, 星野源, 森山良子, 邦画, 障害, 黒木瞳

ドラマ「逃げ恥」で一大旋風を巻き起こした星野源の映画初主演作。市井昌秀監督のメガホンによって、実家暮らしの平凡な男性と視力を失った女性との滑稽にして悲しい恋物語をヴィヴィットに描き出します。

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作品タイトル 「箱入り息子の恋」
制作年 2013年
劇場公開 2013年6月8日
制作国 日本
監督 市井昌秀
脚本 市井昌秀
田村孝裕
キャスト 雨雫健太郎 星野源
今井奈穂子 夏帆
雨雫寿男 平泉成
雨雫フミ 森山良子
今井玲 黒木瞳
今井晃 大杉連

映画『箱入り息子の恋』のあらすじまとめ!

俳優でミュージシャンの星野源が映画初主演を飾り、内気で恋愛経験のない35歳の独身男が、目の不自由な女性に恋をしたことから急激に変化していく姿と、彼らをとりまく家族の姿を描いたドラマ。わずらわしい人付き合いを避け、職場と自宅を往復するだけの日々を送る市役所勤務の天雫健太郎は、彼女いない歴=年齢の35歳。そんな息子を見かねた両親は、本人たちにかわり親同士が見合いをする「代理見合い」をセッティングする。健太郎はそこで出会った今井夫妻の娘で、目にハンデを抱えた女性・奈穂子に生まれて初めて恋に落ちる。しかし、2人の行く末には思いがけない障害が立ちはだかり……。ヒロインの奈緒子を演じるのは、「天然コケッコー」の夏帆。黒沢清監督作「トウキョウソナタ」脚本でも日本の家族を題材にしたオーストラリア人の映画作家マックス・マニックスが原案。

引用元:映画.com

映画『箱入り息子の恋』のネタバレと評価!

両親が無理やりセッティングした見合いの席で奈穂子(夏帆)と知り合い、恋に落ちる健太郎(星野源)。ふたりはすぐに恋人同士になりますが、健太郎の職業や経歴、奥手な人柄ばかりを気にする奈穂子の父・晃(大杉連)はふたりの交際に猛反対。あることがきっかけで夏帆の母・玲(黒木瞳)がひそかにふたりのデートに協力していたことが晃に知られてしまい、健太郎は晃から殴り飛ばされ、「もう二度と奈穂子に会うな!」と言われてしまいます。

さらにその後、車にはねられそうになった奈穂子をかばった健太郎が重傷を負い、ふたりは会えなくなってしまいます。

大ケガから快復した健太郎ですが、晃から「奈穂子には会うな」ときつく言われていることもあり、しばらくはあえて自分から奈穂子と距離を置くようになります。

ひとりで牛丼屋に入り、苦労しながらも注文する奈穂子の姿を見かけても遠くから見守ることしかできない健太郎でしたが、奈穂子なしの生活もついに限界に。

奈穂子への想いをおさえきれなくなった健太郎はある日、仕事を突然投げ出し、奈穂子の待つ家へ走ります。しかし、晃に会うことを禁じられているため、玄関からの正面突破はできません。

健太郎はあろうことかベランダから敷地内に侵入。建物の壁をよじ登り、決死の思いで奈穂子の部屋に入ることに成功します。

奈穂子もはじめは驚きますが、危険を冒してまでわざわざ自分に会いにきてくれた健太郎の想いを受けとめ、ベッドへと招き入れます。

晴れて結ばれたふたりですが、物音に気づいた晃が健太郎を発見。健太郎は裸のままベランダに追い出されてしまいます。

奈穂子との時間を奪われた悔しさと晃への歯がゆさから理性を失った健太郎は奇声を上げながらベランダから落下し、全身複雑骨折の大ケガを負ってしまいます。

入院によってふたたび奈穂子と会えなくなった健太郎。しかし、彼はもうあきらめません。健太郎は病室から奈穂子に点字で手紙を書きつづけ、奈穂子との愛を確かめ合うのでした。

映画『箱入り息子の恋』の見どころは?

星野源さんの初々しい演技が楽しめる映画『箱入り息子の恋』には、皆さんにぜひともお伝えしたい見どころがたくさんあります!

急転直下の展開

盲目の女性と会社員の男性との恋愛を描いた映画『箱入り息子の恋』は、序盤から中盤あたりまではスローテンポな純愛映画のような雰囲気で進行していきます。

健太郎と奈穂子がどちらも引っ込み思案で物静かなタイプなので、「このままありきたりな純愛物語で終わるのかな」なんて思っていたら、まんまと裏切られてしまいました。

転換点は、最初の修羅場のシーン。ふたりの密会が晃にばれ、健太郎が奈穂子に会えなくなってから、映画全体の雰囲気ががらりと変わります。

奈穂子に会えなくなってから生きる希望をなくし、ふたたび暗くなってしまう健太郎。それはたんに元の生活に戻るという生やさしいものではなく、奈穂子という心の灯が消えたことで廃人寸前にまで追い詰められてしまうような、このままダークサイドに落ちてしまうのではと心配になるような劇的な変化が健太郎に起きるのです。真っ暗な部屋で延々とテレビゲームに興じる健太郎の眼の暗さは、恋愛映画のはずなのにサスペンスやホラーのようでもあり、観ている側を油断させないあやうさがありました。

このままじゃいけないと思った健太郎は一念発起してもう一度奈穂子に会いに行くのですが、そこからの展開は前半のスローテンポを忘れさせるほどスピーディで、なおかつスリル満点でした。

星野源の底力!

本作は星野源さんにとって映画初主演作品となるのですが、まるで星野源さんのために書かれたのではないかと思ってしまうほど、星野源ワールドがぎっしり詰まった作品となっています。

物語の序盤、雨の中ひとりたたずむ奈穂子にそっと傘を渡す姿はとても自然で、「純愛映画」の入り口としては完璧な展開。

見合いの席で晃から経歴についてさんざん低い評価を受け、見下され、娘にはふさわしくないと言われた健太郎が自分の部屋で感情を爆発させるシーンはリアルで、哀しくて、ここだけでも「雨雫健太郎」という人物に感情移入するには充分でした。

「僕には障害はありませんが、欠点ならたくさんあります」

高圧的な態度をくずさない晃に、健太郎が静かに言い放つセリフです。(恋愛に障害は関係ない)。ともすれば凡庸になりがちなメッセージをきちんと自分の言葉に変換し、リアリティをもって伝えられる星野源さんはやっぱり、役者としても天才です!

映画『箱入り息子の恋』の全体の感想

障害を超えた恋愛をまったく新しい切り口から描いた映画『箱入り息子の恋』。実力派俳優の競演がたっぷり楽しめますので、ちょっと変わったラブストーリーがお好みの方にはぜひともおすすめです!

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作品タイトル 「箱入り息子の恋」
制作年 2013年
劇場公開 2013年6月8日
制作国 日本
監督 市井昌秀
脚本 市井昌秀
田村孝裕
キャスト 雨雫健太郎 星野源
今井奈穂子 夏帆
雨雫寿男 平泉成
雨雫フミ 森山良子
今井玲 黒木瞳
今井晃 大杉連