ネタバレあり!映画『予告犯』のあらすじと見どころ!感想も!
筒井哲也のコミックを忠実に実写化した映画『予告犯』。ジャニーズきっての演技派、生田斗真を主演にむかえ、さらに戸田恵梨香との共演ということで公開当日からたちまち話題になりました。ネット社会のもつ恐ろしさを描きつつ、現代社会が抱える閉塞感や息苦しさをリアルに活写する社会派ヒューマンドラマに仕上がっています。
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作品タイトル | 「予告犯」 | |
制作年 | 2015年 | |
劇場公開 | 2015年6月6日 | |
監督 | 中村嘉洋(『白ゆき姫殺人事件』) | |
脚本 | 林民夫 | |
原作 | 筒井哲也(コミック『予告犯』) | |
キャスト | 奥田宏明 | 生田斗真 |
吉野絵里香 | 戸田恵梨香 | |
葛西智彦 | 鈴木亮平 | |
木原浩一 | 濱田岳 | |
寺原慎一 | 荒川良々 | |
設楽木匡志 | 小日向文世 |
映画『予告犯』のあらすじまとめ!
人気動画サイトに突如投稿された動画が波紋を呼んでいた。
「明日の予告を教えてやる」
それは、犯罪予告動画だった。動画のなかでは、新聞紙で顔を覆った「シンブンシ」と名乗る人物が挑発的な口調でこちらに語りかけている。
「明日の午後〇〇時〇〇分、都内の食品加工工場に火をつける」
10分にも満たない1本の動画はネット上でたちまち話題となり、そして翌日、「シンブンシ」が予告した時刻に「審判」が実行される。その食品加工工場は、数年単位で食品偽装を繰り返していた。
それ以降も毎日同じ時間に動画が配信され、その翌日には「シンブンシ」が予告した通りの事件が発生するのだった。
中途採用組の面接志望者をツイッター上で笑い者にする面接官、夜道で暴行された女性を自己責任だとネット上で嘲笑した男……人の道をはずれた行動を楽しむ者たちに次々と「私刑」を下していく「シンブンシ」。
警視庁サイバー犯罪対策課所属でキャリア捜査官の吉野絵里香(戸田恵梨香)は、一連の動画に映っている「シンブンシ」の背格好がばらばらであることからグループによる犯行であることに気づき、スピーディな推理と捜査によって首謀者が奥田宏明(生田斗真)であることを突き止める。
ネットの世界ではすでに英雄として祭り上げられている「シンブンシ」はついに、都内のパーティイベントで政治家の設楽木匡志(小日向文世)を殺害するとの予告動画を配信し、社会全体を巻き込む大波乱へと発展させていく。
映画『予告犯』のネタバレと評価!
「シンブンシ」と名乗る謎の男が突如、動画サイトで衝撃的な犯罪予告を繰り返す……『予告犯』をたんなる社会派サスペンスととらえるだけでは、その奥深さは伝わりません。
「シンブンシ」のリーダーである奥田宏明。彼はもともと、派遣のシステムエンジニアとして都内のIT系企業に勤めていました。
「この会社で1年間頑張れば正社員になれる」
採用当時の約束を励みに、連日の深夜残業や上司のパワハラにもじっと耐えてきた宏明でしたが、約束の期日が近づいてもいっこうに契約更新の気配はなく、上司から「そんな約束はない」とはぐらかされる始末。
さらに、職場でのいじめのターゲットにされつづけていたことに気づいた宏明は人間不信に陥り、追われるように会社を辞めます。
ハローワークでの再就職活動の末、宏明がたどり着いたのは日雇いの肉体労働。宏明はそこで、葛西智彦(カンサイ)。木原浩一(メガネ)、寺原慎一(メタボ)、ネルソン(ヒョロ)と出会い、つかの間の安らぎを味わいます。
しかし、日雇いの作業現場は想像以上に過酷なものでした。そして、連日の激務に耐えきれず、ネルソンが持病を悪化させ、「オトーサンニ会イタイ」と言い残して死んでしまいます。
仲間が死んだにもかかわらず、あくる日からも馬車馬のように働くことを命じられる宏明たち。人を人とも思わない現場監督の態度に腹を立てた浩一は、勢い余って彼を殴り殺してしまいます。
殺人の罪を背負い、悪の道に足を踏み入れた宏明は志半ばで命を落としたネルソンの夢をかなえるべく、「シンブンシ」として動画を配信することを決意するのでした。
謎の覆面男として社会的制裁を繰り返し、絵里香によってその正体を突き止められた宏明は、ネルソンとの約束を果たした後、カンサイたち5人に「最後の動画予告」を持ちかけます。
「明日の予告を教えてやる」
我々は明日、「シンブンシ」たちに制裁をくわえる。
グループでの心中をほのめかす宏明でしたが、実はそれは、宏明ひとりの自殺計画でした。
仲間たちを欺き、たったひとりで死を選んだ宏明の遺体に、絵里香はありったけの罵声を浴びせ、いつまでも泣きじゃくるのでした。
動画サイトをテーマに据えた『予告犯』はコミック、映画ともにリアルな社会派ドラマとして高く評価されています。
映画『予告犯』の見どころは?
サスペンスでありながらどこかハートフルな雰囲気漂う映画『予告犯』には、皆さんにぜひともお伝えしたい見どころがたくさんあります。
生田斗真のヒールっぷり!
クールでカッコイイ好青年のイメージが強かった生田斗真。何でも、今回の「シンブンシ」が初めての本格的なヒールとのことでしたが、予想以上のハマり役でしたね。
それも、ただの危険人物ではなく、きちんとした社会的背景を背負ったうえでのヒールということで、役づくりはさぞかし大変だったことでしょう。
人間味あふれるヒール……一見矛盾した役どころを自然に演じられるのは、生田斗真以外にはいないのかもしれません。
戸田恵梨香の迫力!
生田斗真とならんで映画『予告犯』の主演を張った戸田恵梨香。この人はやっぱり、強くて凛々しいキャリアウーマンがよく似あいますね。
個人的に引き込まれたこの映画のハイライトは、宏明の追跡シーン、
「何でもかんでも社会のせいにするな!」
絵里香が宏明に言い放つセリフ。実は彼女自身も貧困家庭に育ち、すべてを犠牲にして警視庁のキャリアにまで上り詰めた、という苦労人なのです。
一見突き放しているようでいて、心の奥底では宏明に深いシンパシーを感じている……宏明の死に接した絵里香の慟哭のシーンには、絵里香自身の複雑な内面が表れています。
これぞブラック企業!
映画『予告犯』の隠れMVPはやはり、滝藤賢一ですね。宏明がエンジニアとして勤めていたIT系企業の上司を演じているのですが、これがもう「ザ・ブラック上司!」という感じで、見ていて本気でムカムカしてくるのです。
こういう「本物のヒール」がちゃんと存在感を発揮しているからこそ、物語が引き締まり、宏明の哀しみがよりいっそう引き立つのですね。
映画『予告犯』の全体の感想
現代社会の闇をするどくえぐり取った映画『予告犯』。生田斗真のヒールっぷりが際立つ意欲作です。サイドストーリーも注目ポイントですよ!
『予告犯』を家でじっくり楽しむならコチラ!
作品タイトル | 「予告犯」 | |
制作年 | 2015年 | |
劇場公開 | 2015年6月6日 | |
監督 | 中村嘉洋(『白ゆき姫殺人事件』) | |
脚本 | 林民夫 | |
原作 | 筒井哲也(コミック『予告犯』) | |
キャスト | 奥田宏明 | 生田斗真 |
吉野絵里香 | 戸田恵梨香 | |
葛西智彦 | 鈴木亮平 | |
木原浩一 | 濱田岳 | |
寺原慎一 | 荒川良々 | |
設楽木匡志 | 小日向文世 |
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