ネタバレあり!映画『モリのいる場所』のあらすじと見どころ!感想も!
2018年5月19日に劇場公開された映画『モリのいる場所』。2019年、惜しまれつつも亡くなった樹木希林さんの晩年の作品としても注目されました。日本を代表する名俳優が共演した『モリのいる場所』のあらすじ、見どころ、ネタバレ情報について公開します!
映画『モリのいる場所』の概要
『モリのいる場所』は2018年5月19日に公開された日本映画です。実在した著名な画家・熊谷守一氏(モリ)の晩年の生活を通して、自然との共生や芸術へのこだわり、変わりゆく日本の時代背景を丁寧に描いていきます。
映画では熊谷守一氏をベテラン俳優の山崎努さんが演じ、その妻の秀子を樹木希林さんが演じています。
監督・脚本は、『横道世之介』、『モヒカン、故郷に帰る』を手がけた沖田修一氏。音楽を極力省いた無駄のない演出を積み重ねつつ、モリの芸術へのこだわりと彼を取り巻く人々との温かい交流を描いていきます。
作品タイトル | モリのいる場所 | |
制作年 | 2018年 | |
劇場公開 | 2018年5月19日 | |
監督 | 沖田修一 | |
脚本 | 沖田修一 | |
キャスト | 山崎努、樹木希林、青木崇高、吹越満 |
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映画『モリのいる場所』のあらすじまとめ!
モリこと、熊谷守一氏は1900年代に活躍した日本の画家。若い頃は幅広い作風で知られていましたが、晩年は抽象的な画風になり、池袋の一軒家にこもって創作活動に没頭するようになりました。
映画『モリのいる場所』では、97年におよぶ熊谷守一氏の半生のうち、最晩年の数年間にフォーカスがあてられています。緑に囲まれた一軒家で妻の秀子とともに暮らし、木々を這う虫たちや道端の石ころを日々じっと見つめつづけ、創作の糧にした熊谷守一氏。
秀子のさりげない愛情と、近隣に住む個性的な人々のぬくもりに支えられながら、文部省からの文化勲章授与も断る熊谷守一氏。
大規模マンションの建設という時代の流れと向き合いながら、モリはついに、あるひとつの決断を迫られるのでした。
映画『モリのいる場所』のネタバレと評価!
『モリのいる場所』は、モリの暮らす「アトリエ」にマンションが建てられるところで終わっています。
近代化の流れに背を向けつつ、それでも最後には時代の波に乗り切れなかったモリ。現在の池袋はすっかり現代的になりましたが、どんなにささやかな命にも敬意を払い、その営みを見つめつづけてきたモリの精神は、今の日本にもしっかりと息づいています。
映画『モリのいる場所』の見どころは?
実力派俳優が競演した『モリのいる場所』には、おすすめしたい見どころがたくさんあります。
とにかく画面がキレイ!
『モリのいる場所』では、冒頭からラストシーンまで、カメラワークが徹底してこだわり抜かれています。
特に自然の描写が抜群にキレイ。地面を這いまわるアリ、木々の葉を行き交うカマキリ、透き通った池や川を泳ぐ小魚……小さな生き物たちにもワンカットごとにきちんとフォーカスがあてられており、「昔はこうやって自然と一緒に暮らしてきたんだなぁ」と感じさせてくれます。
虫が好きな人も、そうでない人も楽しめる映像のクオリティです。
モリがとんでもなく可愛い!
『モリのいる場所』を観て、皆さんにどうしても伝えたいことがあります。
とにかくもう、モリが可愛いんです!
ただの石ころを見つめるモリ、杖をつきながら木々の葉をかき分け少年のように喋々を追いかけるモリ、秀子にたしなめられてシュンとするモリ……とにかく、どの表情のモリもキュートでお茶目で可愛らしくて、おじいちゃんであることをついつい忘れてしまうほどです。
地面を這うアリやカマキリはもちろん、道端に転ぶ石さえもじっくりと、愛おしそうな視線を注ぐモリはどこまでも温かく、自然への感謝を忘れない人だったんですね。
『モリのいる場所』にドリフが?
自然描写がメインというと、どうしても派手さに欠けるような印象があるかもしれませんが、『モリのいる場所』にはコミカルな演出も多く、思わずクスリとさせられるシーンもけっこうあります。
個人的に好きなのは、ドリフのシーン。映画の中盤で、モリの家に集まる人たちの頭になぜか突然たらいが落ちてくる……というちょっとシュールなワンカットがあるのですが、ドリフのフリがさりげなく効いているのと、当時の時代背景がリアルに表されているおかげでコメディとしてきちんと成立しているんです。
昔、ドリフにハマった人たちにとってはまさに大爆笑のシーンです。
まさかのSF?モリと未知との遭遇
派手な演出をおさえた『モリのいる場所』ですが、1カ所だけ、「もしやSF?」と思うような奇想天外なシーンがあります。
マンションの立ち退き問題で揺れる熊谷家。大勢の作業員を招いて夕食会を開くことに。立ち退く決心が今ひとつできずにいるモリがふと庭のほうに目をやると、遠くのほうにあやしげな光が……。
光の正体は、おでこから長い目を生やした謎の人間型生物。ふたりの会話は何とも幻想的であり、また、長年住み慣れた「アトリエ」を手放す決心がつかないモリの心の葛藤をさりげなく象徴しています。
謎の生物を演じているのは……何とあの超人気俳優!名優同士のファンタジックな演技も見どころのひとつです!
樹木希林さんの名演技!
モリをささえる妻・秀子を見事に演じきった樹木希林さん。芸術家として信念を貫くモリにそっと寄り添うその姿はとても自然で、樹木希林さんらしい奥ゆかしさを感じさせます。
どんな役柄にも自然に染まりきった樹木希林さん。癒し系のその演技がもう二度と見られないと思うと、寂しいかぎりですよね。
映画『モリのいる場所』はこんな人におすすめ!
自然描写たっぷり。味のある名優たちのおさえた演技が存分に味わえる『モリのいる場所』。「昭和ってこうだったよな」となつかしい気分に浸りたい人、キレイな自然を見て癒されたい人、CG中心の派手な映画にちょっと疲れている人におすすめの1本です!
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作品タイトル | モリのいる場所 | |
制作年 | 2018年 | |
劇場公開 | 2018年5月19日 | |
監督 | 沖田修一 | |
脚本 | 沖田修一 | |
キャスト | 山崎努、樹木希林、青木崇高、吹越満 |
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